消費者は、その商品が自分に何をもたらしてくれるのか、自分の生活をいかにより良く、より幸せに、より満たされたものにしてくれるかということを気にかけています。
ところが、その商品の機能がいかに素晴らしいものであるかを論理的に説明しても、消費者はなかなか反応をしてはくれません。
人は感情で買い、論理で正当化する
なぜなら、人は感情で買い物をし、論理でそれを正当化するからです。
つまり、論理的な説明よりも先に、感情に訴えかけるメッセージを届ける必要があります。
感情にダイレクトに訴えかけるメッセージとは?
では、どのようなメッセージを届ければ、感情に訴えかけることができるのでしょうか?
人は、「人間が持つ生物学的な欲求や要求」に関係するメッセージに触れると、強く反応をする性質があります。
「人間が持つ生物学的な欲求や要求」には、以下のようなものが挙げられます。
生物学的な欲求
- 生き残りたい。長生きしたい。
- 食べ物や飲み物を味わいたい。
- 恐怖や痛み、危険から逃れたい
- 性的に満たされたい
- 快適に暮らしたい
- 他人より勝りたい、世の中に遅れをとりたくない
- 愛する人を守りたい
- 社会的に認められたい
こうした欲求に関係するメッセージに触れると、人の感情は強く反応を示します。生まれながらに脳の回路に組み込まれた内部的な要求のため、非常に強い影響を与えることができます。
後天的な欲求に訴えかけるメッセージとは?
人間には、後天的な欲求というものもあります。
後天的な欲求
- 情報を得たい
- 好奇心を満たしたい
- 身体や身の回りを清潔にしたい
- 能率よくありたい
- 便利であってほしい
- 信頼性や品質の高いものが欲しい
- 美しさや流行を取り入れたい
- 節約し利益を上げたい
- 掘り出し物を見つけたい
人は、これらの欲求に関連するメッセージにも反応しやすいですが、これらは後天的に身に付けたものなので、先に挙げた脳の回路に組み込まれた「生物学的な欲求」にはとても及びません。「生物学的な欲求」と組み合わせるような使い方がお勧めです。
「生物学的な欲求」を利用して、まずは感情に訴えかけよう
商品をアピールする際、その商品が消費者に何をもたらすのか、そしてそれは「生物学的な欲求」の何に関連しているのかを考えてみましょう。
そして、消費者にそれらの欲求が満たされることが直感的に伝わるメッセージを投げかけ、まずは感情に訴えかけましょう。
その後に、論理的な説明によって、購入することの正当性を補強する情報を伝えましょう。